3月11日に思う

今日は3月11日。特別な日ですね。

20160311

今朝の成田はどんよりと厚い雲に覆われ、時折雨がぱらついたりしています。気温も5℃と冷え込みました。

5年前の地震の時には、建物や機械が大きな音とともに揺れ、倉庫前の道路は波打つように見え、この恐怖が永遠に続くのではないかと思われました。幸い、弊社では2階の小さなボール盤が数台倒れただけで、怪我人もなく安堵したのを覚えています。

昨日、宮城県石巻市からお客様がお見えになりました。「5年前に海水に浸かった機械を修理して使っていたが、とうとう動かなくなったので、代わりの機械を探しに来ました」との事でした。ひととおり機械の状態を確認して頂いてから、明日が3月11日という事もあり、5年前の話になりました。お客様は多くは語りませんでしたが、「実際、生き延びて良かったのか、わからない時もありました」とぽつりと言われました。それに対し間抜けな言葉しか返せない自分がいました。唯一の救いは、お客様がその気持ちを過去形で答えられた事、気持ちを切り替えて仕事に真摯に打ち込んでいる姿が表情から見てとれた事でした。

5年前は3月26日に「特売会」を実施する予定でいました。地震の後、2週間後に迫った「特売会」を前にして、実施するかどうか悩みました。「このように大変な時期に実施しても良いものか」「実施してもお客様が来るとは思えない」「広告や案内状を出した以上、お客様が来るかもしれないし、中止を伝える時間が無い」等々・・・。社内で議論した末に、結論は、「一人でもお客様がいらっしゃる可能性があるのなら実施してみよう」となりました。

実際、実施してみると前年より多くのお客様がお出でになり、中には「こんな時期だからこそ実施して欲しかったんだ」と言ってくれるお客様もおられ、とても有難く嬉しく思ったのを覚えています。厳しい現実の時こそ、前を向いて動き出せば明るい兆しが射す。忘れる事の出来ない思い出です。

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中古機械屋のベルズです。
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